2016年03月19日

アルゴアルゴ』

映画製作のロケハンを口実に人質を奪還する. 1979年のイラン革命時に、カナダ大使私邸に逃げ込んだ6人のアメリカ人を架空のSF映画『アルゴ』のロケハンスタッフに偽装させて脱出させたというこの嘘みたいな実話. 史実だからこそ結果は分かっているはずなのに、最後まで途切れることなく張り詰めている緊張感がたまらない映画でした. 敵を欺くにはまず味方からと言いますが、まず映画関係者であるレスター・シーゲルやジョン・チェンバーズが作戦に加わるのはまだしも、実際に製作発表や雑誌の取材、キャストを集めての公開読み合わせ、脚本に合わせた絵コンテまで用意してイランだけでなくアメリカ国内も欺いてしまうのですから、さすがエンターテイメント国家・アメリカ. その一方でこの作戦を知っているCIAや国務省から発案者以外に誰かが同行するのかと思いきや、実際に現場に赴くのは『最後の猿の惑星』からこの作戦を発案したトニー・メンデスだけという驚きの史実. もちろん人数が多ければロケハンに説得力や現実味が薄れる分、疑われる危険性も増えてしまうとはいえ、それでも失敗すれば自分や6人だけでなく大使館で人質になっている52人の命までも危険に晒してしまうかも知れない状況下で、たった一人で乗りこむ勇気はハンパないと思います. また救出される6人も、偽装がバレれば命がないという危険に晒される中で、演じたこともない別業種の人間を演じなければならない緊張感もハンパなかったでしょう. ですからそんな状況下で脱出するという緊張感、特に脱出当日の現場とアメリカ本国の緊張感もハンパないこと. 偽装がバレるかも知れない段階は一つではないからこそ、現場は一難去ってまた一難の繰り返し. サポートしてくれるはずのCIAは作戦の中止を決定した国務省の説得をするため時間との戦い. そんな綱渡りとも言える状況下で革命兵士に疑われたことで別室に連行され、一つの失敗が全員の命を危険に晒す絶体絶命のピンチ. ここで最もこの作戦に否定的だったペルシャ語を話せる男が絵コンテを使って説明する. しかも何を話しているのか分からないように字幕もつけない. もうこの演出による緊張感がハンパない! さらにこれだけでは終わらず、イラン側に作戦がバレたことで飛行機が空港から無事に飛び立っても離陸許可が取り消されるのではないかという緊張感を機内電話を使って見せる演出も素晴らしいこと. そしてCAがイラン領空を離れたのでアルコールが解禁されたとアナウンスした瞬間、一気に張り詰めていた緊張感が緩むと同時に自然と涙腺も緩むなんて…もうたまりませんでしたわ. てな訳で作品を撮る毎に映画監督として確実に成長しているベン・アフレック. カーター元大統領のインタビューをEDロールに挟む演出も素晴らしかっただけに、今後も彼の監督作品は見逃せませんよ. そしてワーナーブラザーズがロゴで遊ぶ作品はやっぱり面白い! 深夜らじお@の映画館 はこの時代の暴徒化するイラン市民と現代の暴徒化する中国民衆が同じに見えて仕方ありませんでした. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.
posted by KurodaNao at 07:32| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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